2019年03月11日

playlist - 3.10.2019

M1 : Pretty-Eyed Baby / CHIEMI ERI (with Chuck Miller Trio)
M2 : Gomenasai (Gomen Nasai) / CHIEMI ERI & G.I.Joe
M3 : 砂漠よいとこ / 榎本健一・岸井明・宏川光子・北村季佐江
M4 : 腰抜け二刀流 / 森繫久彌
M5 : 唄の世の中 / 岸井明



今週はレギュラーゲスト<岡田崇さん>を迎えての音楽夜話です。
江利チエミのアメリカ録音のSP盤からエノケン、岸井明、森繫久彌などの貴重な音源を。



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前半2曲は江利チエミさんのアメリカのFederalからリリースされた1953年の渡米時にキャピトル・レコードのスタジオで録音された日本未発売のSP盤から。バッキングは当時キャピトル・レコードと契約したばかりのチャック・ミラーのトリオとの噂。

Pretty-Eyed Baby / CHIEMI ERI


15歳でデビューした1952年の12月に、江利さんはこの「Pretty-Eyed Baby」を邦題「可愛い瞳」としてリリースしています。ずいぶん録音もノリも違います。

可愛い瞳 / 江利チエミ


チャック・ミラーといえばマーキュリー移籍後の「House of Blue Lights」(1955年)のスンバラシイ演奏は何度もDaisy Holidayで選曲されています。

House Of Blue Lights / Chuck Miller


B面の「ゴメンナサイ」はクラブ二世オーケストラやスリム・ゲイラードのバージョンがデイジー界隈では人気だと思いますが、忘れてはならないのはデイジーワールドからリリースされたパシフィック231の名盤『MIYASHIRO』収録バージョン。

Gomen-Nasai / Pacific 231


Gomen Nasai / Errol Nakao ・ Club Nisei Orchestra/strong>


Gomen Nasai (Take 10) / Slim Gaillard



後半の話題に登場したエノケン楽団の栗原重一さんのシンポジウムについてはこちらから
「栗原重一旧蔵楽譜を中心とした楽士・楽団研究」主催公開研究会
エノケンの楽団と舞台・映画・レコード/栗原重一旧蔵楽譜から考える


エノケンの音楽面を支えた栗原重一さんの遺した旧蔵楽譜の調査・研究が早稲田大学演劇博物館 演劇映像学連携研究拠点にて行われています。その調査報告会が先日開かれ、音楽評論家の毛利眞人さんの発表において、その資料の中にレイモンド・スコットの楽譜が含まれていることが判明しました。へぇ〜と興味が湧いてきたので、エノケン映画をちょこちょこYOUTUBEなどで観ていたところ、1940年作の『孫悟空』の中で、レイスコの「Twilight in Turkey(トルコの黄昏)」のようなメロディーが流れてきたのです!
まずはラジオで流したエノケンの『孫悟空 前編』の映像をどうぞ。


砂漠よいとこ(Twilight in Turkey) / 榎本健一・岸井明・金井俊夫・宏川光子・北村季佐江


この映画では作曲並編曲:鈴木静一 音楽指揮:栗原重一とクレジットされています。
レイモンド・スコット・クインテットの映画『アリババ女の都へゆく』でのシーンは

Twilight in Turkey / Raymond Scott Quintette


エノケンのは『Twlight in Turkey(トルコの黄昏)』のアラブっぽいBメロ*をそのまま鼻歌にしてしまったようなシーンですね。Aメロの部分も歌ってくれていたら面白かったのにとも思いますが、このゆる〜い感じがそれだけレイスコのメロディーが当時の喜劇人に馴染んでいた証拠なのかな?とも思います。戦前の日本ではレイスコはハリウッド映画にも出演していたので人気があり、宝塚少女歌劇、松竹楽劇団、吉本興業の谷口又士と東京吉本スヰングショウなどの舞台でその楽曲が取り上げられていました。吉本の舞台ではジミー原田さんが腰蓑をつけてドラムを叩いたそうです。今回の調査のおかげで、「In An 18th Century Room(18世紀のサロンにて)」や「Powerhouse(発電所)」の楽譜も残っていることが判明しました。エノケンの舞台で「Powerhouse」なんて観てみたかったな。。。今後も調査は進んでいきますので、また新たな発見があることでしょう。
「砂漠よいとこ」は『エノケンのキネマソング』というCDに収録されています。

*このBメロ部分は古いアメリカの童謡からの引用で「THE STREETS OF CAIRO」などの曲名で有名なメロディーです。古いアニメーションにも数多く使われていますので「砂漠よいとこ」がそのままレイスコの「トルコの黄昏」だとは言い切れませんが、当時直近でこのメロディーが使われて評判になっていたのが「トルコの黄昏」であるのは間違いなく、エノケンの音楽を担当していた栗原重一氏の旧蔵楽譜の中からレイモンド・スコットの楽譜が見つかったというトピックを受けて、今回のお話をさせていただきました。

エノケン映画に限らず、当時は著作権への意識が緩かったのかどこかで聞いたメロディーが氾濫していました。
ご紹介した森繁久彌さんの「腰抜け二刀流」は、隠すことなくボブ・ホープのヒット映画『腰抜け二丁拳銃(The Paleface)』(1948)の挿入歌で日本でも“バッテンボーの歌”としてヒットした「ボタンとリボン」をちょいと変えた感じの曲。こちらも鈴木静一さんの作曲です。


「腰抜け二刀流」


ボタンとリボン / 池 眞理子


Buttons and Bows / Dinah Shore


最後は、岸井明さんの「唄の世の中(Music Goaes 'Round and 'Round)」。
こちらは編曲を鈴木静一さんが担当しています。
期せずして後半3曲は全て鈴木静一さん関連作品になってしまいました。
おまけに鈴木静一さんの奥様、平井英子さんの「鼠の留守番」もどうぞ〜
では、又来週。(岡田崇)


鼠の留守番(1931 伴野文三郎商店 監督:大石郁雄) 歌:平井英子


唄の世の中 / 神田千鶴子


Music Goaes 'Round and 'Round(五つの銅貨) / Danny Kaye and Susan Gordon


Music Goaes 'Round and 'Round / NRBQ


「唄の世の中」は、ぐらもくらぶから発売された佐藤利明さん監修『ザッツ・ニッポン・キネマソング 1931-1940』に収録されています。
posted by daisy holiday at 00:11| daisy holiday 2019